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2024年05月03日
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掘り出した短篇小説。<単発・DQⅣ話>

2009年01月15日

昨日の影響で…かは知りませんが、無性にDQⅣがやりたくなってやっていた瓜々でございます。
と言っても、主役二人が99Lvじゃあ楽しみがありません。マネマネでも相手にして遊んでましたよ。

一つ自慢に、勇者ちゃんのHPは999です。

何で上げたかって?トルネコさんの力でw
時々宝箱を盗む事を利用して…出現しやすくも命の種を落す敵と、ずーっと戦っているのです。
こんなところで大活躍でした。(笑)

さて、今日は携帯をあさっていた所、送信メールの結構下から小説が掘り出てきました。
やべ、いつ作った小説?と日付を見てみると、約半年前でした。(わは)
なんか放置も勿体無いので、少し編集してあげてみましたです。

そして趣味丸見えの単発話です。言わなくても勇者ちゃんと魔王さんのお話。
でもノンシュガーに近い出来です。これを一般にシリアスと言うんですかね。

しかし瓜々にとってシリアスは大の苦手分野です。(ぉぃぉぃ)
編集もちまちまっとですので、かなりダメ文かと…。



とりあえず、勇者ちゃんの設定だけはここに。
名前は瓜々が愛着のある「ルーフェ」に固定してあります。


◇女勇者・ルーフェ(17)

・一人称、わたし。
・皆が呆れるほどのお人好し。(自覚はしている模様。)
・言葉遣いがまぁ丁寧。魔王さんだけは呼び捨て。
・戦いに身を転じているので、ちょっと鈍感…??
・思い込むと一人では抜け出せなくなるタイプ。


以上が大まかな設定です。自分の勇者ちゃんのイメージ壊したくない!って人は、観覧を避けた方が良いと思われます…。
後、やっぱり自己満足な出来。中途半端でごめんなさいっ。

それでは、それでも良いよ!って方だけ、続きをこっそり覗いてくださいませ。












時たま、仲間の皆に問われる事がある。




どうしていつも笑っていられるのかって。

どうして誰に対しても優しいのかって。





別に強がってなんかいない、優しくなんてしていない、普通に接しているだけ。
…そして。


本当は根の弱いわたしだから、今あるものを失うのが、なりよりも怖くて。


そして今日もまた、勇者と言う名の自分を形作る…。

















                         勇者≒魔王




















「利害一致ですね」
この一言から始まった。わたし達勇者一行に、新たな仲間が出来た瞬間。

「宜しくお願いします」

天空人と人間の血を引く勇者、ルーフェは深々と礼をし、表情に穏やかな笑みを浮かべた。

「…フン、わたしは自己の意思で動くまでだ」

8人目の仲間は目も合わさず、勘違いするなよ、と付け足してそっけなく答えた。
ルーフェはそれでも笑みを絶やさなかった。

 




      -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 





「まさか、今まで敵対してた人が仲間になるなんてね、ルーフェ」
「そうですね、アリーナさん」

今晩の食事前、宿屋にて休息をとる勇者一行。
暇を持て余していた女性陣は、今日あった事を振り返る。

「ルーフェはなんとも思わないの?」
「え?」

アリーナの言葉にルーフェは目を丸くする。

「だってさ、一番辛いのはルーフェじゃないかな。アイツといるの…」

アイツと言うのは、8人目の仲間の事。
ルーフェには苦い思い出がある。振り替えるたびに辛いが、何よりもソレの原因はその仲間だった。

自分を育ててくれた親も、優しくしてくれた村の人々も…大親友だったエルフのシンシアも…。
奴に、そして魔物に殺されてしまった…。

「大丈夫ですよ。あの方だってつい最近までは、わたしと同じ様な立場の人だったんですし。 それに今となっては、黒幕がいたと言うことが分かっているのですから…今は共に戦う頼もしい仲間です」

ルーフェは優しい笑みを返す。
アリーナも釣られて笑った。

「ルーフェは優しいね、誰に対しても」
「そんなことありませんよ。あの一件のことは許してませんし…ロザリーさんに直接逢うまでは、大層恨んでいました。彼の事」
「…そっか」

暫し二人の間に沈黙が訪れた。

「ありゃ、どしたの二人とも。黙り込んじゃってさ」
「あ、マーニャさん」

マーニャが静寂を打ち破り、二人の元へやってくる。

「もしかしなくても、話題はアレだったりする?」
「ま、そんなところかしら」

勘のいいマーニャは、すぐさま二人の話の軸を思い当ててしまう。ルーフェは苦い表情になった。

「…もう止めましょうか、こんな話。失礼な気がします」

すくっと立ち上がると、宿屋の出口に向かう。マーニャは本題を思い出す。

「あぁ、ルーフェ。もうすぐ夕食だよ?」
「そうですか、分かりました。すぐ戻りますので」

ルーフェはまたにこりと笑い、薄暗くなった外に出ていった。

「…なんで笑顔がつくれるのかねぇ。どうみても無理してるような」
「マーニャ姉さんもそう思う?」
「あら、そういうとアリーナもなんだ」

二人は顔を見合わせた。すると、あっ、とマーニャが何か思い出したような表情をする。

「…ありゃ、そーいえば……ピサロの姿も見当たらなかったよーな…。もしかしてアイツも外出してるのかしらん?」
「え!?」

アリーナは急いで男性陣のいる所へ向かった。



 

    -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 




「…“優しい”…ですか」


日が落ちて、月が登り始めている時刻。ルーフェは一人空を仰いでいた。


――ルーフェは優しいのね。


それはシンシアにも言われた事のある台詞だった。
単なるお人好しなだけで、優しく接している気は少しも無い。

淡い月明かりに照らされて輝くのは、勇者だけが使いこなせる天空の剣。
ルーフェはそれを手に、今だ自分が本当に勇者なのかと疑ってしまう。
そして、なぜ自分が選ばれてしまったのかと。

「…わたしが勇者じゃなければ、とうさんもかあさんも、シンシアさえも失うことはなかったのかな…」

…また弱音を吐いてしまう、それが自分の悪い面だった。
あの時、両親からは忠告されていたのだ。掟を破り、村人が傷付いた詩人を名乗る旅人らしき人を助け、村に入らせた事。
ルーフェは初めての外部の人に興味深々だった。無性に会ってみたいと思い、村の宿屋で彼を見た。

吸い込まれそうな緋色の瞳、美しく揺れる銀の長髪。それに自分は大層見とれていた。
外部の人は、こんなにも可憐なのか…と。




…しかし、誤ったその行動が。 罰の如く悲劇を招いてしまった。

 

村が一夜にして廃墟化され、村の皆は死んだ。
わたしは力不足で何も出来ず、ただただ閉め切られた扉を叩き、聞きたくもない村人達の悲鳴を目の当たりにしていた。

シンシアはモシャスの呪文で、わたしそっくりに変身して身代わりになった…。
なんて情けない、わたしは何度皆に助けられたのか。

そして旅をするにつれ、ルーフェは気が付いた。遅すぎた発覚、あの日宿屋で見た人は……。



ルーフェの紫苑色の瞳にうっすらと涙が浮かぶ。

「…シンシア。わたしは、勇者にはなれないかもしれない」
「何を今更、貴様らしくないな」
「…!?」

背後をとられた。ルーフェは迂濶にも剣を手から滑り落とし、後ろを振り向く。
突然だったので声では誰だか分からなかったが、姿を見て緊張感はフッと抜けた。

「…聞いてたんですか」
「一部始終だけだ」

月明かりに輝くのは剣だけではなかった。長い銀の髪がゆらりゆらりと夜風に揺れる。

その姿は紛れもない、あの時に見た…。8人目の仲間こと、優々とした魔族の王・ピサロ。

「…本当に」

うっすらと笑みを浮かべる。ゆっくりとした動作だが、落とした天空の剣を拾う。

「ごめんなさい、そうですよね」

ルーフェは背を向けた。
仲間とはいえ、敵だった相手に背を見せるのは、信用しているのか否か。

「もう少しでわたし達の旅は終わるのに…こんなところまで来て弱音なんて。勇者として恥ですよね」

憂いの含まれた笑みに変わった。しかしその表情はピサロからは覗えない。
二人が向き合うと、風が舞い踊り、髪を揺らした。

「…今のわたしなら、止めをさせるかもしれませんよ。例えこの手に天空の剣があったとしても」

冗談余りで言っているのだろうか。勇者にあってはならない発言。

「つまりわたしにとっては、絶好のチャンスと言う訳か」

腰の大剣を鞘から引き抜く。身の丈ほどある刃は、月明かりでキラリと反射される。
刃先はルーフェの首筋に向けられ、今にも喉を突かれそうな程だった。

「…やはり人間とは愚かだな。天空の勇者よ」
「…そう…ですね」

ふっ…とルーフェの表情は安否に包まれた。死んでもいいと言う事なのか、覚悟がもう出来ているのか。

「きっとわたしが死んでも、黒幕はあなただけで十分な相手でしょう?それにこの一件が終わったら…わたしは本当に行き場を失ってしまう」

 

 

"あなたとは違う。…帰る場所なんて、無いのだから"

 
 


「だったらいっそ、死んだ方がましです」


勇者の"作り"笑い。大人のような振る舞いをする彼女のそれは、これまでにはしっかりと見たことはなかった。
17歳のまだ幼い少女のする笑みでは………。

勇者はまた天空の剣を手から滑り落とした。その様子から見て、もはや抵抗すらしないようで。
魔王は緋色の瞳を伏せた。
 

「…本当にそうだと思っているのか」
「…はい……っ…?!」

カランと音を立てて、魔界の剣が地に落ちる。ルーフェは覚悟の末に瞳を閉じていて、一瞬何が起こったのか分からなかった。

ただ、力強く後頭部と左肩を掴まれて、仄かに温かくも冷たい胸の中に閉じこめられたのは確かだ。
ルーフェはとっさに、その胸板を押し返してしまい、気恥ずかしさと共に胸に手を当てたまま、また背を向けた。

「な、何の冗談ですか…。同情なら結構…」
「同情ではない」

―今のわたしには、失うものの悲しさは重々承知している。

「貴様は何故そうも自分を追い詰めながら、ロザリーを選んだ?」
「…あなたが、余りに苦しそうだったからです」

"苦しそうだったから"

「あなたを利用する為だけに、命を奪われたロザリーさん…それだけは、それだけは許せなかった。…そして、それがあなたにとっての耐え難い苦痛になって……昔のわたしを思い出した」

だから助けてあげたかった。助けちゃいけない相手と知りながら、情けをかけてはいけないと知っててそれでも…。
人間と魔族の対立した関係を、少しでも止める為に。

「あなたを暗い闇の世界から、引き上げたかった」

ルーフェはきゅっと胸を強く抑えた。
どうしてそうさせるのかは分からない。先程からずっと、鼓動が強く高鳴っている。

跳ねる心臓を掌で隠すように押さえ、耳の良い魔王には聞こえないようにと、切に願った。

「……」

ピサロはそれから何も言わなくなった。
ただ、一人何かを理解して、手から落とした魔界の剣を拾い、鞘に収める。

ルーフェは木の幹に手を添えて、この高鳴りは何なのかと悩み立ったまま。

「…貴様の仲間が、首を長くして帰りを待っている。今は、そこが"ルーフェ"の居るべき場所だ」
「……!」

ルーフェが振り返ると、もうピサロの黒い後ろ姿が、遠く小さくなっている様な気がした。

そうだ、まだわたしには居場所がある。

"仲間" と言う、掛け替えのない居場所が…―。
まさか敵対していた魔王に知らされるとは。

「……」
 

全部終わったら……それはまた別の機会に考える事に。
 

「待ってください、ピサロ!」

あの漆黒の姿を、仲間を追う。
今、勇者の中で、何かがほぐれた様な気がした…。
 



END.







続編の掘り出し小説もあったのですが、超作りかけでした。
ので続かない可能性95%ぐらい。(うぉぃ)

余裕あれば、簡単な挿絵もそのうちUPしようと思ってます…。
ダメ文でも読んでくれた方、有難う御座いました^^

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