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突発ネタ。
これは…バイト中に思いついた突発な魔クロ妄想を小説にしたものです(笑)
我ながら、こんな妄想をよく文にできたもんだ…。
さて、同感してくれる人はいるでしょうか。
時はA.D.1000、ラヴォス撃破後の平和なトルース村での魔クロです。
小説のヒントは…PS版DS版のオープニングだゼ☆
いつもと変わりない、平和でいて退屈な日々が過ぎて行く A.D.1000 。
共に戦った仲間達は元気にしているだろうか?と頭の片隅で思いつつ…。
今日も今日とて、飽きず魔王がオレの家に会いにくる。
魔王は古代になかなか居座ろうとしない。戻っても、直ぐに現代へ舞い戻ってくる。
行方不明の姉さん、探さなくていいのだろうか…オレが不安になるばかりだ。
でも、正直この光景はもう習慣づいてしまった。
母さんにとっても、魔王は客と言うより…接し方がまるでオレの親戚じゃないかと思う程。
オレは…なんと言うか複雑だが、嬉しい事に変わりはない。
…でも…。
「……。」
なんか今日は…機嫌が悪い??
彼 が 不機嫌 なワケ。
トルース村のオレの家に、今日も魔王が来て早々…の事だった。
大抵部屋にいる時は、いつも変わりなく、他愛無い会話を交わしているオレと魔王。
部屋のあちこちにいる猫に囲まれつつ、時に過去を振り返りながら…。
母さんが作るミルクティーを舌鼓する。
それが、オレの部屋でのいつもの光景だ。
”いつも”の…。
「……。」
「ま…魔王?」
今日はどうだろうか。
いつも通り、机にはミルクティーと、おまけにオレの好きな…母さん特製・林檎パイ。
オレは実に機嫌を良くしていた。
だが、魔王を部屋に招き入れた途端。
「……。」
いつもは解いているはずの眉間の皺を深めて、仏頂面のままドスッと胡座を掻く始末。
それきり、話しかけても何も喋らない。
どうも、オレとは正反対に機嫌が悪いらしい。
こんなに機嫌が悪いのは、マールと一緒にいたオレと、タイミング悪く会いに来た魔王が鉢合わせした日以来の事。
その後は、なんとか説得して機嫌を直してもらったが…その代償は大きい。
代償が何かって? …いっ、言わせるなよ!
「…なぁ、どうしたんだよ? 魔王って、林檎嫌いだったっけ?」
「……。」
魔王と正面に向かうように、オレはベッドに腰掛けた。
猫が一匹、オレの膝に乗ってくる。
でも、やはり無言だった。
しかも目も合わせてくれない。
そういや以前、一緒に林檎食ってた記憶あるな…林檎パイは関係ないか。
「まーおーうー…オレ、なんか気に障る事したのか?だったら謝…」
「違う。」
少しだけ、怒ったような口調で返された。
それ絶対違わないだろ…あぁ、不機嫌なのはオレのせいなのか…。
「よっと…。」
ベッドから立ち上がり、魔王の隣に移動するオレ。
とうとう腕を組んだまま、目伏せちゃってるし。
ミルクティーと林檎パイの甘い香りに包まれている部屋でも、あまりの静寂さに緊張さえ覚える。
遠慮しながら距離を縮めて座ると、魔王はようやくオレを見てくれた。
近くで顔を覗き込むと、怒っている…と言うよりはどことなくもの寂しそうだった。
「魔王…?」
「…すまん」
え?なんで謝るんだよ。
そう聞く前に、ぎゅうっと抱きしめられてしまった。
すっぽりとその広い胸の中に収まるオレ。
突然の事で、びっくりしながらも顔が火照る。
「ちょ…魔王…。」
「除け者のようで、気に食わなかったのだ。」
「へ??」
オレがいつ魔王を除け者にしたんだ、と高速瞬き(?)すると、魔王は窓際の棚に視線を向けた。
追って、オレも間から見てみる。
「…あ…。」
魔王が、なぜここまで不機嫌だったのか。
その理由が分かった気がした。
窓際の棚に置いてあったのは、ルッカが現像してくれた、仲間達の姿。
…全員写真だ。
もっとも、その写真に魔王の姿は無かった。
これじゃあ、全員とは言わないか…。
魔王は、それが気に入らず拗ねてたんだな。
オレもなんて気が回らないヤツなんだろう。
「わ、悪い…写真の事だったなんて…、オレ…。」
「いや、私こそ幼稚だった。考えてみれば、あのようなもの…」
「そりゃ、除け者みたいで寂しくて当然だよな。…直ぐに片付ける!」
「…おい、待て。」
オレも相当焦っていたのか、魔王の言葉を最後まで聞いていなかった。
写真立てを片付けようと立ち上がってみると、魔王にグッと腕を引かれて…。
目の前に床が見える。
「…うおぉっ!?」
「クロノ!?」
ゴンッ!!
我ながら、結構な快音がしたもんだ。
その音に、一斉にして猫が逃げ出すのもよく分かった。
快音の引き換えに、頭に激痛が走るけどな…。
「いっつー…!」
この痛みは、馬鹿なオレへの天罰に違いない。
「馬鹿者…!」
魔王までオレの事を馬鹿呼ばわり…まぁ、これも自業自得か…。
涙目で額を押さえていると、魔王が血相を変えて革手袋を脱ぎ捨てる。
次いで、額を押さえていたオレの手を退け、凄い勢いで鉢巻が奪い取られた。
涙でぼやけてはっきりと見えないが、魔王はオレよりも何十倍焦っていただろうか。
彼の右手が冷気を帯びて、すっとオレの額に当てられた。
心地よい冷たさが、額の激痛を抑えていく…。
でも、オレはもう穴があったら入りたいぐらいに…申し訳が立たない。
「ま、魔王…。」
「全くお前と言う奴は…、目が離せないな。」
「ごめん…なさい。」
ほんとだよ、オレ。
まだラヴォスと戦っていた時も、どれだけ魔王の足引っ張って来たんだ。
愛想つかれて殺されなかったのが奇跡だな…。
肩を落としてシュンとしていると、魔王はふっと笑みを零した。
いつもの、オレに向けてくれる優しい笑みだ。
「本当に…可愛い奴だ。」
「か、かわ…かわ…!?」
「ふ…。この一瞬一瞬さえずっとあれば、私は思い出など必要ない。故に、あのような紙切れもな。」
「…!」
またしても、思わずオレの顔が赤くなった。
ぶつけた額に不意打ちのキスをされると、余計赤みを帯びていく。
でも、その言葉は。
母さんの作る、甘いミルクティーのように、オレの心にじんと染み渡った。
…そうだな、オレ達に写真なんて必要ない。
思い出には、ならないから。
「…そういえば、折角のミルクティーが冷えちゃったな…。」
「クロノの母上が淹れる茶は、何時飲んでも美味だ。…その前に、やる事がある。」
「?」
その後、あの機嫌の悪かった日同様。
魔王を拗ねさせた代償に、
オレの唇が奪われるのだった…。
end
はい、強制終了です!(ぉぃ)
なんてくだらねーんだと思いながら、ほんと地味に可哀相だと思ったのはオレだけでしょうか。
仲間はずれされてるよ…あのオープニングの写真…都合のせいだろうけどさ。
くろすか。の魔王は拗ねるよ、これ。
そして代償が問題あり…(^p^;)
まぁ…魔クロには、写真なんていらないと開き直るのでした!
ちなみに、ミルクティーは自分の手元にあったのを使い、
林檎はこれつながりです。
オリジナル設定ですよ(苦笑)
そういえば、こんな言葉を思い出したオレ。
私は思い出にはならないさ。 by.英雄
…アンタは素直に思い出になって下さい。(ぉぃぉぃ)
読んでくれたかた、ありがとうございました!